伝統工芸品浮立面

浮立面とは

浮立面
「面浮立」のかけうち(踊り手)がつける鬼のお面を浮立面といい、雌と雄があり阿・吽となっています。
雌面は口を大きく開け舌を伸ばし、目は吊り上がり、額にはいっぱいに皺(しわ)の線が流れ上がっています。
角(つの)はあるかないくらいの小さなもので、ねじり巻いたようなものや突き出ただけの角があります。
雄面は目の玉が大きく口を結び、額に皺の線が寄り角が長いのが特徴です。

浮立面の材質・・・(白木の良さ)

面浮立用(踊り用)の浮立面は動きがあるため、軽くなるように桐で彫り、表面に漆が塗られています。
しかし、当店では面浮立用(踊り用)の漆塗りの浮立面だけでなく、工芸装飾用としての白木の浮立面も彫刻しています。
白木彫りは県木である樟(クス)の木を使用し、木目の美しさ・木の強さ・木の香り等、自然の恵みと伝統芸能「和」を合体させています。
また、白木は年月とともに木の色が変わり深みのある色を楽しむことができ、世の中に二つと同じ物がない作品に仕上がります。

面浮立とは

『佐賀県重要無形民族文化財』指定で、佐賀(鹿島市)の名物面浮立は佐賀の顔ともいえるこの地方独自の伝統芸能です。
かけうち(踊り手)が鬼の面(浮立面)をかぶり頭にシャグマ(馬毛又は麻)をつけ、前には小太鼓をつりさげ、笛や鐘、太鼓のリズムに合わせて手を振り足をあげて踊る勇壮な踊りで、『五穀豊穣』 『雨乞祈願』 『奉納神事』として、奉納する伝承芸能です。衣装は地区によって異なりますが、上衣が波に碇綱模様などの法被(ハッピ)や濃紺一色の無地の襦袢(ジュバン)で、有明海周辺を中心に佐賀県西部地方から長崎県諫早市まで広く伝わっています。

地方の人々にも非常に親しまれており、広く県外にも知られています。

面浮立01
面浮立02

面浮立の由来

面浮立には数通りの言い伝えがありますが、一説によると元亀元年(1570年)「室町時代」豊後の大友氏の大軍を肥前の龍造寺軍が迎えうち、双方大兵を挙げて戦いました。しかし、大友の勇敢なる騎兵隊のために龍造寺の軍は危険にさらされました。
この時の鍋島の一豪族が百騎隊あまりの決死隊をひきつれて頭にシャグマの毛をつけて鐘、太鼓の音に合わせてときの声を上げ一気に敵の勝ち誇った騎兵隊に中に突入したところ、大友の軍は散を乱して破れ去り、龍造寺の軍は大勝利しました。
この戦勝祝に荒武者達が陣太鼓や鐘に合わせてそのままの姿で踊ったのが始まりであるという説があります。
しかしながら、シャグマを付けたという記録はありますが、鬼面(浮立面)をつけて戦ったという記録は現在確認されていません。おそらくは農耕に伴って、耕作に害をする悪霊を封じ込め、豊作を願う神事として面浮立ができたのではないかと推測されます。

お問合わせ連絡先

  • TEL0954-62-9574
  • FAX0954-62-9098

※メールでのお問合わせの際は、「氏名・年齢・性別・住所・連絡先」をご記入ください。